【日本は大丈夫?】私たちの食卓に忍び寄る「農薬のPFAS」問題

農薬PFAS

みなさん、こんにちは!
最近、地下水や河川から検出されてニュースになっている「PFAS(ピーファス)」という言葉を耳にしたことはありませんか?

PFAS(有機フッ素化合物)は、その強固な化学結合(炭素-フッ素結合)により、自然界でほぼ分解されないことから「永遠の化学物質」とも呼ばれ、健康への影響が心配されていますが、実は今、私たちの食べる「野菜や果物」を通じたリスクが世界中で新たな問題となっています。
今日は、ジャーナリストの猪瀬聖氏の記事(『食品と暮らしの安全』2026年1月号より)を参考に、その実態についてお伝えします。

PFASの人体への影響:蓄積による健康リスク

PFASは体内に入ると排出されにくく、血液や肝臓に蓄積しやすい性質があります。長期間の摂取により、以下のようなリスクが指摘されています。

発がん性::腎臓がん、精巣がんなどのリスク増加が複数の研究で示唆されています。国際がん研究機関(IARC)は、代表的なPFOAを「グループ1(ヒトに対して発がん性がある)」に分類しています。

免疫系の抑制:ワクチンの効果(抗体反応)が低下することが報告されており、特に子供への影響が懸念されています。

代謝:内分泌系への影響: コレステロール値の上昇、脂質代謝異常、甲状腺疾患のリスクが指摘されています。

胎児:乳幼児への影響: *妊娠中の曝露により、低出生体重や発育の遅れ、将来的な肥満リスクに繋がる可能性が議論されています。

環境への影響:広範囲な汚染の拡散

環境中での「難分解性」と「移動性の高さ」が大きな問題となっています。

半永久的な残留: 自然界(土壌や水)でほとんど分解されないため、一度放出されると数十年から数百年にわたって留まり続けます。

生物濃縮:プランクトンから小魚、大型魚、そして人間へと食物連鎖を通じて**濃度が上昇(生物濃縮)します。北極圏のシロクマなど、発生源から遠く離れた野生動物の体内からも高濃度で検出されています。

水質汚染の拡大:水に溶けやすく移動しやすいため、工場の排水や泡消火剤の使用場所から地下水へ浸透し、広範囲の飲み水(井戸水や水道水)を汚染します。

土壌・農業への影響:汚染された水や堆肥を通じて農地に蓄積し、そこから農作物へと吸収されます。

「農薬」として大量に使われているPFAS

これまでPFASといえば、半導体工場の排水や、泡消火剤による水質汚染が主な問題でした。
しかし今、アメリカやヨーロッパで注目されているのが、農薬の原料として使われている「残留PFAS」です。

アメリカの調査では、以下のような身近な作物にPFAS農薬が日常的に使用されていることが分かっています。

ナッツ類(アーモンド、ピスタチオなど)
ワイン用のブドウ
トマト、糸もやし(アルファルファ) など

なんと、カリフォルニア州で登録されている農薬の15%がPFAS農薬だったという報告もあり、その規模に驚かされます。

日本で使われている農薬も「PFAS」だった!?

農薬PFAS

「それは海外の話でしょ?」と思ったら大間違い。
実は、アメリカで使用が確認されているPFAS農薬の多くが、日本でも普通に認められ、使用されているのです。

具体的には、除草剤の「オキシフルオルフェン」や、殺虫剤の「ビフェントリン」など。
これらは欧州連合(EU)では健康や環境への影響からすでに禁止されていますが、日本では今も使われています。

「短鎖PFAS」なら安全なの?

農薬に使われるPFASの多くは、分解されやすいとされる「短鎖PFAS」です。
しかし、これらが分解されると「TFA(トリフルオロ酢酸)」という別の物質に変化します。
このTFAが環境中や人体から検出される頻度が増えており、新たな健康リスクとして懸念され始めています。

こうした事態を受け、欧米では規制強化の動きが加速しています。

メーン州(米): 2023年にPFAS農薬を禁止。
EU: 2025年に一部のPFAS農薬の登録更新を拒否。
デンマーク: 地下水汚染を防ぐため、6種類の使用を禁止。

一方で、アメリカのトランプ政権下では規制緩和の動きもあり、世界的に対応が分かれているのが現状です。

私たちにできることは?

残念ながら、日本ではPFAS農薬に関する議論はほとんど進んでおらず、多くの消費者がこの事実を知らないままです。
自治体の井戸水検査などは行われていますが、国レベルでの実効性のある規制はまだ先になりそうです。

現状で、自分や家族の身を守るためにできる最も有効な対策は、「できる限り有機(オーガニック)や無農薬の農産物を選ぶこと」だと言われています。
土壌や農業用水がすでに汚染されている可能性もゼロではありませんが、農薬そのものからの直接的な摂取リスクを抑えることは、今すぐできる大切な選択かもしれません。

まとめ

農薬PFAS
知らず知らずのうちに口にしているかもしれない「PFAS」。
独自でも調べましたが、日本では大阪府摂津市の地下水(目標値の520倍)、広島県東広島市の地下水(300倍)、岡山県吉備中央町の浄水場(28倍)などで極めて高い数値が報告されています。他、東京多摩地域や沖縄の米軍基地周辺も深刻です。

まずはこの現状を知り、日々の買い物で「何を選ぶか」を少し意識してみることから始めてみませんか?
食の安全を守るのは、私たち一人ひとりの関心と選択にかかっています。

最期に、PFASについてより深く知るための書籍や、信頼できる国際機関のウェブサイトをご紹介します。

PFASの現状が分かる書籍

『PFAS 永遠の化学物質』(著:ジョン・ミッチェル、阿部小涼/岩波ブックレット)
日本国内、特に沖縄の米軍基地周辺の汚染問題に焦点を当てつつ、PFASがどのように世界に広がったかをコンパクトにまとめた入門書です。

『消された水汚染』(著:諸永裕司/岩波書店)
朝日新聞の元記者が、多摩地区や岡山、大阪などの汚染実態を徹底取材した一冊。
海外の事例だけでなく、日本各地で起きている具体的な汚染の実態と、それを隠そうとする動きや行政の不作為を鋭く追及しています。

世界の状況がわかる公式サイト

世界の規制をリードしている機関のサイトです。ブラウザの翻訳機能(Google翻訳など)を使うと日本語でもスムーズに読めます。

EPA (アメリカ環境保護庁) – PFAS解説ページ
世界で最も厳しい水質基準を打ち出した米国の最新規制情報や、家庭でできる対策が網羅されています。

EEA (欧州環境庁) – PFASに関する報告
EUによる「PFAS一括規制」の根拠となるデータや、環境への影響についての詳細なレポートが公開されています。

OECD (経済協力開発機構) – PFASポータル
世界各国のPFASの定義や、代替物質への転換状況などをデータベース化している国際的なポータルサイトです。

日本の公式情報

環境省 – PFASに対する総合戦略検討会
日本の現在の暫定目標値や、全国の河川・地下水の調査結果(地図付き)がPDFで公開されており、自分の住む地域の状況を調べるのに役立ちます。

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